11.18.2009
今日は、アドベンチャー企業であるミチコーポレーションをご紹介します。
この企業から生まれる数々のビジネスモデルは、非常に面白いものばかり。
今回は、超ロングバージョン!二部構成でまいります!
【第一部】
代表的な商品である、ぞうさんのウンチでつくった「ぞうさんペーパー」、
新商品の「ぞうさん緑化マット」のビジネスモデルのご紹介。
【第二部】
社長である植田さんへのインタビュー。
植田さんのビジネスに対する姿勢を、ほんのわずかですがお届けします。
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「象と人間を守るビジネスモデル」
●ぞうさんペーパー

これがぞうさんペーパー!

ノートや便箋など、様々なグッズ展開もされています。
なんとこの紙、ぞうさんのウンチと古紙を混ぜてつくられているんです。
スリランカで1枚1枚手作業でつくられ、日本へ輸出されています。
この紙のすごいところは、象と人間、互いにメリットのあるビジネスだということ。
象は群れで生活しているため、一匹では生活できません。
そのためスリランカには、人間によって親を殺された象や、
迷子の象を守るためにつくられた象の孤児院があるのですが、
象はたくさん餌を食べるため維持費が問題となっていました。
ぞうさんのウンチを使用することにより、象を守るために収益の一部を維持費にあてる。
そして、紙をつくる工場で働く120人ほどの現地雇用も生まれる。
このビジネスモデルは、
世界各地の地球にやさしく地域発展に貢献するプロジェクトを募る
BBCワールドチャレンジで2006年最優秀賞を受賞しました。
● ぞうさん緑化マット
現在ミチコーポレーションでは、オーガニック食品や、
伝統的な製法でつくられた文具など、様々な事業が展開されていますが、
植田さんの次なる取り組み、
それはココナッツの廃棄部分からつくられた「ぞうさん緑化マット」。
これが「ぞうさん緑化マット」。
都市ビルに施工し、屋上緑化に!
実はココナッツは中身の白い果肉の部分しか使わず、
他は全部ゴミになってしまうんです。
ミチコーポレーションでも、オーガニック食品としてココナッツミルクを販売
しているのですが、このゴミをなんとかしようと開発されました。

ココナッツの殻。これが全部ゴミになります。

回収されたヤシ殻の山です。
発展途上国が抱えるゴミ問題のひとつ。

ココナッツの廃棄部分を粉砕→圧縮マットに。
ここに種を植えて、芝を生やします。
屋上緑化に使用されるマットは、すでに芝が育成されています。
西洋芝を使っているので1年中緑のまま!がポイント。
保水率も他社の約3倍で、水やりの回数も少なくてすむそうです。
100%天然素材なので、ウレタンや合成ゴムをベースにした商品と違い、
捨てる時も産業廃棄物にならず燃えるゴミに捨てられるんです。
<3つのプラス>
このマットには、3つのプラスがあります。
①スリランカのメリット
マットはスリランカでつくられています。
コンテナ1本の輸出で、約1万ドルぐらいの外貨獲得ができるので、
スリランカの雇用で6ヶ月分にもなるそうです。
②地方経済のメリット
ミチコーポレーションでは、農家にマットと種を渡し、休耕田に敷き詰めて芝を育成してもらい、
報酬として現金を渡します。そして、そのマットを屋上緑化に利用するそうです。
農家の新しい雇用送出、またエコロジービジネスの参入の支援となります。
③エコロジーメリット
都会のビルの屋上緑化としてマットを施工すれば、
室内温度を下げるのでエアコンの電気代削減やCO2削減に役立ちます。
もちろん、収益の一部がスリランカの象の保護に使用されます。
「象のウンチを使うので、象がいなくなると困る」
→「象の住むジャングルを守るのもビジネスの一部になる」
この図式、なんとも素晴らしいですよね。
CSRとして導入する企業にとっても、メリットが盛りだくさんというわけです。
植田さんによれば、地方で芝をつくり都会でCO2を削減するというビジネスモデルは、
他の国でもそのまま移行できるといいます。
またアジアではココナッツのゴミ問題を掲げていて、
かつ外貨がないという同じパターンの国がいっぱいある。
日本で成功したら、海外へ展開していきたいと考えているそうです。
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いやー素晴らしいビジネスモデルですよね。
商品の素晴らしさももちろんですが、
これらを生み出す植田さんのビジネスの考え方が非常に気になってきました。
ここからはインタビュー形式でお楽しみください。
【山】
しかし植田さん。
植田さんが開発される商品は、使うことでみんながハッピーになるものですよね。
作り手、売り手、使い手にそれぞれメリットがある。
ビジネスの戦略として、非常に面白いなと思います。
【植田さん】
一石他鳥な動きが好きなんです。
売れれば売れるほど、いろんなメリットが生まれる物の方が気持ちいいなと思います。
でもそれは、後から気付いたことですね。
いろんな人が宣伝してくれたり、応援してくれて。
いろんな人に共感してもらえるという強いパワーに気付きました。
【山】
スリランカで、いきなり連れてかれたペットボトルの山を見て、
工場をつくることを決意したり、その他にも幅広い事業を展開されていたり、
植田さんが「アドベンチャー」という言葉使われてますが、
本当にアクティブですよね。
【植田さん】
僕は酒もタバコもギャンブルもしませんけど、退屈な人間ではないです。
馬を走らせて賭けるより、自分で馬にまたがって突っ走りたいタイプ。
ベンツ買うんだったら、船が欲しいですよ。車と同じぐらいのスピードが出るわけだし、
その船をオフィスにしたっていい。コスト変わらないで面白いことができる。
僕はそういう考えなんですよ。
【山】
昔からそういう考え方だったんですか?
【植田さん】
そうかもしれませんね。大学行こうって全然思わなかったしね。
僕は名古屋出身なんですけど、地元の有名大学行かないと、
いい就職ができないとか他の人が言うんだけど、僕バカだからさ。
中学の時はBe動詞も知らなかったですもん。
それで他のやり方でいくしかないと。逆にチョイスが増えたわけ。
受験しかチョイスがない人に比べて、
寿司屋とかロックスターとか、いろんな選択肢の中から、
僕は外国に行って旅行の仕事を選んだんです。
途中でやめて、商社で働くことにしたんですけどね。
【山】
ミチコーポレーションの事業は、本当にどんどん展開されていってるようですけど、
もともと計画されていたことなんですか?
【植田さん】
やりながらですよ。
銀行と相談しながら、業者や専門家と相談しながら進めていくって感じですね。
エコロジーのために、象のために起業したとかじゃ全然なくって。
ただエコロジーや自然素材に関しては、やっぱり自分が好きだから今後続けたいけどね。
とりあえず目標を設定してやる中で、偶然の何かが来る。で、そっちに切り替えたりね。
偶然の幸運をキャッチする能力はあるかもしれないですね。
【山】
どうやったらキャッチできるんですか?
【植田さん】
無謀な動きを過去にどれだけしているかだと思いますよ。
例えばね、僕が22のとき日本に帰国して商社に入ったんです。
夫婦2人でやってる小さな会社。
で、僕の同い年の友達は大手商社に入った。
給料は僕より10万ほど多かったかな。
彼は、商材を輸出する部門で書類をつくる仕事をしていました。
僕はというと、小さな会社だから書類はもちろん集金も経理まわりも全部やるわけです。
彼は10年会社を勤め上げたけど、僕は1年半で会社を辞めて、築地で働いたり、
ペットボトルやったり、ぞうさんペーパーつくったりしてました。
それで30歳になった時に彼と会ったんですよ。
10万円給料が多いってことは10年間で1200万円僕より稼ぎが多いんだけど、
両方貯金ゼロなんですよね。使っちゃうんです、若いから。
お互い車を買った。彼は薄型テレビを買った。僕は音響ステレオを買った。
でも全部廃棄物になっていますよね。壊れちゃうから。
だから物も金も残ってないんですよ、お互いに。
残っているのは記憶だけでしょ。
僕はあらゆる記憶があったけど、彼は船積みの書類しかない。
僕の行ってきたあらゆる無謀な動きが今お金になっているんです。
つまり僕は自分で起業ができる。1200万円の差なんかすぐにキャッチアップできますよ。
彼はその時、会社を辞めたいといった。
でもどこへ行けるのか、ノーチョイスなんですよね。
僕はミシンも縫えるし、フォーリフトも使えるし、出版社も自分で今やってるし、
無謀な動きが、のちのちフリーダムをつくっているんですね。
人生は短いから、できるだけ20歳、いや40歳くらいまでにはある程度無謀な動きが必要。
アリとキリギリスの「キリギリス」をちゃんとしておかないと
大変なことになると僕は思います。
それが偶然の幸運をキャッチするための必要条件なのかなって。
【山】
なるほど。どちらの人生がいい悪いではないですけど、
人生のチョイスを広げるためには無謀な動きが大事なんですね。
私も、もうすぐ25歳。
どれだけ無謀な動きができてるんだろう。考えさせられます。
「ぞうさん緑化マット」も、今後でてくる商品も、期待してます!
植田さん、ありがとうございました!
【今回ご紹介した企業】
株式会社ミチコーポレーション
http://www.michi-corp.com/