ココロザシ勝手に応援団

西湘をあそぶ会  

10.14.2009

夕暮れ時、一面の田んぼにたたずむ釜戸。
聞こえるのは虫の音と、稲が風にそよぐ音だけ...
都会でせかせかと働く毎日に疲れたら、のんびりとした田舎で1日を過ごしてみる。
ここは小田原。東京からわずか1時間のところに、自然豊かな風景が広がっています。


どうですか?ちょっと行ってみたくなりましたか?
今日ご紹介する「西湘をあそぶ会」は、
都会と西湘を「あそび」でつなぐことによって地域活性を行っている団体。
この場所も、彼らのプロジェクトのひとつである
週末畑あそびプロジェクト「かまどファーム おにやなぎ」の舞台なのです。


※ところで「西湘」ってなんのこと?そんなみなさんも多いのでは。
相模川より東の茅ヶ崎・藤沢地域「湘南」に対して、
相模川より西、平塚~小田原あたりを、西湘と呼びます。

●まずはプロジェクトをご紹介
実際にどんな「あそび」をしているか、紹介しましょう。



マイ田舎プロジェクト「僕らの酒」

http://seishorakuza.jp/myinaka/blog
seisyou_bokusake.JPG

参加者みんなで休耕田を再生し、酒米を育てます。
無農薬、無化学肥料でやさしく、丹念に育て、
秋の収穫期になったら、みんなで力を合わせて刈り取り、
山から切り出しておいた竹を組んで、天日干しに。
それを地元の酒造に持ち込んで、お酒をつくってもらう。
自分たちで作ったお米、地元の水で作られたお酒で乾杯!

東京から45分ほどの「近い田舎」神奈川県の西南部の大井町で
通い方農的暮らしの第一歩を踏み出すためのプロジェクト。
参加者は、東京との生活を両立しながら、
現在120人の方が、酒米づくりをしながら農的暮らしの面白さを体感しています。


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お次は、この9月から始動した

畑あそびプロジェクト「かまどファーム おにやなぎ」!

*内覧会にお邪魔してきました!写真とともに紹介します。

東京から車で1時間ちょっと、小田原の鬼柳ののどかな田園風景に
突如あらわれる「かまどファーム」。
小田原の農業法人「ミナファ」と一緒につくった"あそび場"です。
参加者は、農地を借りて野菜をつくれるのですが、
単なる貸し農園ではありません。
農園近くの炊事スペースで郷土料理や自家製味噌に挑戦できたり。
ゆっくりのんびりおしゃべりできるベンチもあったり。
週末、友達や家族と一緒に1日のんびりとあそべる場なのです。

seisyou_hatake.JPG

畑をずんずん進むと、参加者に与えられる農地があります。(写真右)


そしてそして、じゃじゃん!
かまどファームの名の由来は、このかまど!かまどの向こうには富士山が見えるんですよ。
農作業をする週末は、ぜひかまどランチをどうぞ(有料)。
スタッフの方が、薪をくべて羽釜でご飯をたいてくれます。
seisyou_kamado.jpg


また敷地内には井戸があり、富士丹沢系の天然水が湧き出しています。
真夏でも冷たいこのお水は、ポリタンクやペットボトルに詰めて持ち帰ることもできます。


内覧会では、かまどファームの魅力を舌でも堪能!地元の幸をたらふくいただきました。
seisyou_eat.JPG
seisyou_food.jpg

炊き立てのかまどご飯に、地元の平飼いたまごを組み合わせたTKG(たまごかけご飯)!
さらに地元でとれた魚、そしてタンドリーチキン!
このかまど、なんとタンドール付き!(これ、世界初かもしれません)
富士山をみながら、おいしいご飯。なんとも贅沢な週末です。

このプロジェクトは、始動したばかり!現在参加者募集中です。
申し込み方法、参加料金などは下記サイトでチェック!
http://www.kamadofarm.org/


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さて。
心躍るプロジェクトをご紹介しましたが、
そもそもなぜ、「西湘をあそぶ会」ができたのでしょうか?
「あそび」と「地域活性」のつながりとは?
代表の原大祐さんにお話を伺いました。

seisyou_2shot.jpg
「西湘をあそぶ会」代表 原 大祐さん


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●西湘っていいところなんだ

雑誌やテレビで取り上げられる鎌倉や湘南にはない、
西湘のあまり知られていない魅力。
西湘で育った原さんの地元を想う気持ちから、
「西湘をあそぶ会」は生まれました。

原さん
『西湘は、とても生活環境が豊かなんだと思います。海と山が近くて自然も多い、
農地も多いから野菜もとれるし、魚も地元でとれたものが食べられる。
うちの実家は毎日魚食べてますしね。
そんな風に環境がいいから、昔大磯なんかは別荘地だったわけです。
財界人や、伊藤博文、陸奥宗光、大隈重信、原敬の自邸や別邸が立ち並び、
中でも吉田茂は、あまりに気に入って移り住み、亡くなるまで大磯で過ごしたのは有名な話。
小田原だって城下町だったんだから、西湘はいろんな歴史が残ってますよ。
そりゃー日本全国を見渡せば自然がいっぱいあるところなんてどこにだってあるし、
歴史のあるところだっていたるところにある。
でも東京からの距離を考えたら、西湘って恵まれたところなんだなとある時実感したわけです。』


「僕らの酒」や「かまどファーム おにやなぎ」では、
都心部に住む人を西湘に呼び、魅力を体験する機会をつくっています。
東京都内に住み、設計事務所の代表をつとめる原さんも、
西湘の魅力にあらためて気付き、豊かさについて考えるようになったそう。


『東京のコンクリートジャングルの中で暮らすことが本当にいいのだろうか』
って疑問を持ち始めちゃって。
だからといって仕事もあるので都市か田舎か?という二者択一論ではなくて、
都市も田舎もが現実的なんじゃないですかね。
実家に帰って自然に触れたり、お茶摘んでみたり、地元の人と魚つついているうちに
自分が都市生活では味わえない癒しを体感するんです。
そして西湘の生活って豊かなんだなとも。
自分と同じようなことを思う人って多いんじゃないかな。
ちょっと田舎に行きたい、だけどあまりに遠いところに行くのは逆に疲れちゃう。
そんな人に西湘あたりはちょうどいいんじゃないかと思うんです。

そう考えているうちに都市生活者の癒しや豊かさを西湘で求められれば、
それは西湘地域にとってもいい影響があるんではないか、
と考えたのがあそぶ会をつくるきっかけなんです。』


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●地域の「いいな」がなくなっていく

そんな魅力ある西湘も、他の地域と変わらず、
高齢化が進み、商店街はシャッター街に、休耕地も増えています。
古い建物は壊され、判で押したように日本中同じようなまちの景色に。


『大磯は昔別荘地だったわけで、一軒が3000坪ほどあったりととても広い。
でもいきなり相続することになると、
一般の人は、広い土地なので総額が高いし、維持費も大変。
そうするとディベロッパーが買い分譲するわけです。
人口が増えること自体は良いことかもしれませんが、
そもそも大磯の魅力である別荘地の面影を残す街でなくなれば、
住みたいと思う人は少なくなってしまうのではないでしょうか。
それに一度土地を小さく分けると大きくなることはまずありません。
竹垣の続く道だって、どんどんなくなってしまうんです。
町が買い上げるという話もありますが、維持費がかかるばっかりで現実的ではありません。
住宅分譲を考えるならば、"コーポラティブ"はひとつの解決方法だと思います。
複数人数がお金を出し合って、自分たちで思うように家を配置し、
住民主導で街をつくっていく方法です。
でも、そのままの形を残すのであれば、それは必ず活用できなければいけません。
維持していくための費用が、直接であれ間接であれ、なければならないのです。
それにはやはり人のたまりが必要だと思うわけです。
僕らはそのたまりをどう作れるのかを考え提案していきたいのです。

「僕らの酒」だって「かまどファーム」だって一緒ですよ。
高齢化や様々な問題で休耕していく。休耕したら西湘の「いいな」が減っちゃうじゃないですか。
一方で農業に興味のある都市生活者はいっぱいいる。
だったらそれをつなぎ合わせればいいじゃないかと。』


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●「あそび」は、地域の「いいな」を残す手段。
 それを証明したい。

  
では、つなぎあわせるにはどうするか。
原さんは「あそび」をつくります。

『休耕地があるよ!っていっても、誰も来ないですよね。
地元の人はよその人が来るなんて思っていない。
条件の悪いところから休耕していくわけで、
それをまたいったい誰がなんのために耕すんだと。
「僕らの酒」なんかまさにそうです。
ましてやお金を払ってさらに作業するなんて、ね。

大事なことは、行きたくなる理由をつくることなんです。
参加したいと思わせること、参加して楽しいと思えること
つまり「あそび」が大事なんじゃないかと思うんです。
「あそび」がある人生って豊かじゃないですか。
都市部の人が癒されて人生豊かになって、同時に地域もハッピー
そんな形をつくりたいと思っています。』


「あそび」をつくるには地元の人との連携が不可欠。
役割を分担することで、持続可能なモデルを一緒に模索しています。


『「僕らの酒」はあそぶ会だけではできません。
実際に田んぼの作業になったら指導・管理してくれる農家さんが主役です。
お互いの役割分担が必要なんです。

「僕らの酒」では参加費をいただいていますが、大部分は農家さんの
管理費としたいと思っています。
管理してもらうと農家さんの他の時間を使ってしまいますからね。
それに野菜を作って売るという従来の農業のモデル以外に
人を受け入れることによって商売になるというモデルを構築していきたいと思っています。
だから僕らは主催者になりたいと思っていなくて、ある程度形ができてきたら
農家さん独自でやっていけばいいと考えています。
僕らのいいところをまねしてくれて、西湘でそういった形が
あちこちででてきたらうれしいですね。
僕らはそこで儲けることが目的ではなくて、形をつくっていくことが
ミッションだと思っていますから。』


あそびのプロデュースを通して、地域の「いいな」を残していく。
今後はどんなことを考えているんでしょうか。


『ずっとあそび続けます。西湘の「いいな」を残していくために。
ちなみに「僕らの酒」や「かまどファーム」をしているけど、
農業は僕らにとってメインテーマではありません。
農地も西湘の「いいな」のひとつの要素なので、それをいかに維持活用できるかが
僕らのテーマだったりしますが、ひとつのテーマ・手段でしかないんですね。
あくまで「いいな」を残す探求みたいなものをしていきたいと思っています。』


原さんのお話で印象的だったのは、
「活用するために維持する」ではなく、「維持していくために、活用する」ということ。
つまり、人を集めることによって維持し続けると、維持費がかかってしまうけど、
たとえば休耕地を活用することで参加者から資金を得れば、維持費を得ることができる。
「いいな」を残す方法、とても勉強になりました。
原さん、どうもありがとうございました!!


【今回ご紹介した団体】
NPO法人「西湘をあそぶ会」
http://www.seishorakuza.jp/

*進行中のプロジェクト*
「海の見えるコンサート」
http://oisoconcert.jimdo.com/
マイ田舎プロジェクト「僕らの酒」
http://seishorakuza.jp/myinaka/blog
週末畑あそびプロジェクト「かまどファーム おにやなぎ」
http://www.kamadofarm.org/

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