ココロザシ勝手に応援団

イイダ傘店  

07.08.2009

最近、買い物をするときは「長く使えるモノ」を
買おうと心がけるようになりました。


そして「長く使おう」という気持ちで買っているので
長く使えるように、いつもより丁寧に
そのモノを扱うようになりました。


今回のココロザシ勝手に応援団は
そんなことを考えるきっかけとなり
私に"モノをつくる"という行為の原点を教えてくれた
傘職人、飯田純久さんと
イイダ傘店のご紹介です。


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一本買ったら、一生使える。
その人の好み、使うシーンに合った
コーディネートのメインになるような傘を。


イイダ傘店には、店舗がありません。
日傘の春と、雨傘の秋。年に2回の展示会でのみ
注文をすることが出来ます。


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展示会では、生地から、露先、持ち手など
お客さんが好きな部品を選べるようになっています。



(シーズンごとに、新しい生地が見られます。)


(持ち手ひとつでも、持ちやすさ、好みによって色々。)


注文を受けた傘は、イイダ傘店の工房で
丁寧に、すべて手づくりで形になります。
こうして、その人のためだけの傘が生まれるのです。

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どんなに手がかかっても
いいものを作りたい。


イイダ傘店の傘の魅力は、閉じているときは
じんわりとした存在感があって
開くと、どの角度から見ても美しいところだと思います。



それは、生地の素材や柄、そして使う用途によって
部品や、傘の心棒の太さや、骨の曲がり具合などの細部に至るまで
1ミリも妥協をせずに、使う人のことを一所懸命
考えて作られているからなのでしょう。

誰かが手に持って、空に向かって開いたときに
ぴたっとすべての要素が合わさる安心感があるのです。
そして美しいだけじゃなく、しっかりと強いつくりになっている。

この傘と一緒に、年をとっていけたら素敵だろうな。
そんなことを、思わせてくれます。


例えば、展示会で選ぶことが出来る
部品にも、飯田さんのこだわりが光ります。


これは、傘の骨の先端部分である「露先」。


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イイダ傘店で使われている露先は
飯田さんが三重県の工場に行って、工場の方と
ああだ、こうだと相談をしながら作っていったものです。


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(今は日本にひとつしかないという、露先工場)


そして、生地。
飯田さんがデザインし、傘のためにだけに作られるイイダ傘店の傘の生地は
刺繍だったり、プリントだったり、染めだったりと
触って、じっくり眺めてるだけで幸せな時間を過ごせる。そんな魅力があります。



(傘になる前の生地たち)


イイダさんが、日々考えて生み出したデザインを
生地工場に持っていき、イメージ通りに仕上げるために
職人さんと一緒に生地を作る。


こうした、真剣な時間の積み重ねから
大事に、大事に触りたくなる生地が生まれるのでしょう。


他にもボタンや紐など、すべての部品が傘に合わせて作られていて
それらを、飯田さんがしっかりと傘のかたちにしていきます。
傘の骨になる部分は、粘りがあって折れにくいという樫の木で作られていて、
傘に合わせてカーブや長さがアレンジされています。

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(中から見ても、美しい骨組み。)


飯田さんは、部品を作ってくれる方と直接会って
コミュニケーションをすることを、大切にしているそうです。


いまの時代、一般のお店で売られている傘は
海外の工場で大量に作られていることが多い。
最低ロットが何千本、という世界の中で
お客さんのオーダーに応じて作るイイダ傘店では
一気に大量の部品を使うわけではないので
最初は交渉に苦労したそうです。


それでも、諦めずに交渉を続けた飯田さん。
そして、協力に応じた、各分野のプロフェッショナル。
双方の意見が、こだわりが、重なりあって
イイダ傘店の繊細だけど、どっしりとした傘が生まれるのでしょう。


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「来る日も、来る日も、傘づくり」


傘づくりを始めたのは、
大学の卒業制作がきっかけだったという飯田さん。

最初は、77歳になる現役の傘職人であり、「ハマヲ洋傘店」の店主
鎌田智子さんを訪ねて通い、傘づくりを学んだそうです。

鎌田さんは、もう着なくなった思い出の着物を日傘に仕立て直し
世界に一本しかない日傘をつくる職人さん。
昭和28年から変わることなく、傘をつくり続けておられます。

「工程を、愛情をもってやっていく。

 間違えたら戻る。

 誤魔化しはダメ。

 ひとつひとつをキチンキチンとやっていくことで、
 良い形、良い傘、良いものができる。

 どんなに手間がかかっても良いものを作れればいい。

 なんでもそうだけど、良い仕事をしようと思ったら
 素直な心にならないと良い傘(良いもの)はできない。」


これは、飯田さんに見せていただいた映像の
師匠である鎌田さんとの会話の中の言葉。

この、鎌田さんの言葉は飯田さんに確実に受け継がれ
真っ直ぐに伸びる、傘が生まれているのだろうと
妙に納得し、じんときました。


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広がる、傘の輪。


こうして、使う人のことを真剣に考えた
傘づくりをしているイイダ傘店には
さらに、普通の傘の枠を超えたオーダーも沢山やってきます。

例えば、隈研吾建築都市設計事務所との共同制作の
傘を組み合わせて家を作るプロジェクト。
映画や舞台の、ひとつのシーンに合わせた傘のオーダー。
アパレルブランドとの共同制作などなど。


イイダ傘店は、人々の手に傘を届けるとともに
昔からずっと「日常の必需品」とされてきた傘自体の
フィールドをも、どんどん広げていってくれるのだと思います。

「イイダ傘店の傘を持つ」というのが、今の私の目標のひとつ。
そのためには、持つに恥じない人間に成長しないといけない。
飯田さんの傘づくりに対する姿勢から学んだことを心に留めて
いろいろと、頑張っていこうと思ったのでした。


飯田さん、ありがとうございました!



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どうしても紹介したい!
イイダ傘店の、素敵な傘たち。



見た瞬間に心奪われた、『のり弁』モチーフの日傘。



でこぼこした刺繍がかわいい、『ブロッコリー』



持ち手にも、遊び心が。
一番左のものは、なんとヨーロッパのひきだしの取っ手!



今春の展示会では、デンマークやフランスからレースを買いつけて
好きなものを選んで傘にすることが出来た。


もう、好きなデザインがありすぎて紹介しきれません。
やっぱり、展示会で実物を触ってみるのが、おすすめです。


◎雨傘展の情報を教えていただきました◎

東京/リムアート 別館           9/5(土)-9/13(日)
京都/恵文社 一乗寺店        9/15(火)-9/21(月)
富山/アイコインシデンタリー      10/17(土)-10/24(土)
神戸/トリトンカフェ      11/5(木)-11/10(火)
福岡/アートスペース・テトラ      11/25(水)-11/29(日)

HPオーダー      10月下旬頃


【イイダ傘店】

URL:http://www.iida-kasaten.jp

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