ココロザシ勝手に応援団

第七夜  −夜更け−

第七夜 −夜更け− 

01.06.2010

「ココロザシ勝手に応援団」として日々応援にいそしむ山陰と吉村。
そんな2人が、応援の合間に立ち寄る居酒屋「志半ば」。
応援服を脱ぎ捨てた素顔の2人が、ビール片手に今日も語り始めます。


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


20代半ばの男女10人が集う志半ば大忘年会。
たるちゃん、ヤマケン、南日くん、てつくんの話に
熱心に耳を傾けるメンバー。
おや、お次はペンキ絵師見習いとして頑張る
田中さんが話し出したようです。
ちょっとのぞいてみましょうか。

※今回は、12/30掲載の「志半ば大忘年会」の後半戦!
まずはこちらをご覧ください。

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

【志半ばのメンバー紹介!まずはここで彼らの活動を紹介。】


たまちゃん(26)
編集プロダクションを経て、現在はSCRAPの社員。
「くるり1000人と宝探し大会」「リアル脱出ゲーム」など、
数々の話題イベントに携っている。
SCRAP  http://www.scrapmagazine.com/


ヤマケン(25)
医学生。現在6年生。春に国家試験に受かれば、晴れて医者に。
医療から地元福井を盛り上げる仕組みをつくろうと構想中。


南日くん(26)
IT企業を3年務めた後、音楽関係の会社に転職。
プライベートでは、2006年より富山に音楽を根付かせるため、
「脱ロック計画」というロックフェスを企画・運営している。
脱ロック計画  http://toyamarock.web.fc2.com/


てつくん(25)
8月までデザインプロデュースの仕事をしていたが、
退職後、マチヅ・クリエイティブという団体で松戸を盛り上げる活動をしている。
マチヅ・クリエイティブ  http://4gd.jp/project/42


田中さん(26)
日本で唯一のペンキ絵師見習いとして銭湯のペンキ絵を描いている。
現在は、カロンズネットでレビューを執筆するなど幅広く活動中。
過去、ココロザシ勝手に応援団でも紹介。
ペンキ絵師見習い日記 http://mizu111.blog40.fc2.com/
カロンズネット http://www.kalons.net/j/


高井くん(23)
社会人一年目。インターネット広告の事業を行う会社に勤める。
自分の仕事のやりがいを感じ始めたお年頃。
仕事以外でも、映画監督のアシスタントとして映画制作に関わったり
バンド活動を行ったりと、幅広く活動している。


曽根さん(26)
チェーン店の写真館の代表を務める傍ら、
師匠であるカメラマンについて腕を磨く毎日。
2010年から、我が応援団の応援団として、カメラマンを担当してくれることに。


垂谷知明(25)
大学でテキスタイルを専攻後、子供服ブランドにて、営業を1年経験。
その後ずっと描き続けてきた絵の道を究めるため、退職。
現在は、作家として精力的に個展を開催。
HP http://www.tarutanitomoaki.com/


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


【吉村】
さて、次はペンキ絵師見習いの田中さん!


【山陰】
ペンキ絵というのは、銭湯にある富士山などを描いた大きな絵のことです。
いいですよねーあれ!
でも、日本のペンキ絵師はもう2人しか残っていなくて、
消えゆく芸術とさえ言われていたんです。
がしかし!そこに彗星のごとく現れたのが田中さん!
唯一の後継者として、現在見習いとして頑張っておられるわけです!

【てつくん】
御徒町にある燕湯がいいですよね


【田中さん】
お、すごいマニアですね!


【吉村】
銭湯好きもたくさんいるみたいですが、
田中さんの今後やりたいことってどんなことですか?


nakaba_7-2_1.jpg


【田中さん】
私はやりたいことが3つあるんです。
ひとつは、子供とお母さんとお父さんを銭湯に呼び込むこと。
みんなの話を聞いてると、SCRAPみたいに、
「ゲームをリアルな世界に持ち込む」とか、
「地元でロックを根付かせる、盛り上げる」とか、
要約すると、自分の居場所とリアルな体験と情報をどう得るかだと思うんですけど、
私はそれが全部関係するのが銭湯だと思うんですよね。


【南日くん】
どういうことですか?


【田中さん】
私は大学で美術史を専攻していたんですけど。
ペンキ絵に着目したのは、論文の題材を考えていたときに、
好きな現代美術の作家さんが銭湯をモチーフにしていたことがきっかけなんですね。
初めて銭湯に行くと、自分が思っていた以上に開けた空間があって。
自分の体をつかって地元の情報を得られたり、
自分が入浴することで体験を得られる場だった。
「自分がいる地元」っていうことでも、
「自分の体がここにある」っていう意味でも、
自分がここに存在して生きてるってことがリアルに感じられたんです。
すごく新鮮なことで、面白いなと思ったんですよね。


【山陰】
そのあたりのことは応援団の記事にも書いてあるので、
ぜひ読んでみてくださいね!
http://www.c-o-d.jp/report/2009/09/post-22.php


【田中さん】
でも一方で、私も大学で始めて銭湯に行ったわけで、
まだ銭湯の面白さを知らない人も多いと思うんですよ。
で、どうしたらもっと銭湯が広まるかなって思った時に、
ペンキ絵を使って子供を呼び込むイベントをしたいなと。
松の一部でもいいし、その子がちょっとでも絵を描いた銭湯があれば、
すごく身近に感じるだろうし、
その銭湯が存在している限り、帰る場所があると思うんですね。
帰る場所ができると、人はいろんなところに行けるし、
自分のアイデンティティが確立される。
その子が成長して大人になって、いろんな人と出会って、
そこから情報発信できるような...そういう基盤をつくりたいなって思います。
あと以前、ハードな会社勤めをしていたんですけど、
お父さん社員の方々が、子供となかなかコミュニケーションをとれてなかったんですね。
だから銭湯がコミュニケーションのツールになるといいなと思いますね。


【吉村】
帰る場所、コミュニケーションツール...
銭湯って奥深いなぁ。


nakaba_7-2_tanaka.jpg


【田中さん】
2つ目は、とにかく日本を出たい。


【山陰】
日本出ちゃうんですか!?


【田中さん】
「銭湯」とか「富士山」とか、
いわゆる日本のスタンダードを外から確認したいんですよね。
私が初めて注目したのが、現代美術の作家さんだったわけですけど、
じゃぁ現代美術の作家さんがなんで銭湯をモチーフにしたかっていうと、
ずっと変わらず描かれているものだったとか、
パロディにされるぐらい地盤がはっきりしていたからじゃないかなって。
今後は、ペンキ絵も富士山だけじゃなくて、もっと自由になると思うんですけど、
新しいものが出てくるには、スタンダードも残す必要があると思うんです。
私が、スタンダードの基盤となるようなものをつくることによって、
新しいものも引き立つだろうし、いいコラボレーションになると思う。
だから、スタンダードを確認するために海外に行きたいなって思うんです。


【てつくん】
なるほどなぁ。


【田中さん】
3つめは、山陰さんが「情熱大陸」に出たいなら、
私は「タモリ倶楽部」に出たいなと。


【山陰】
えー!私もタモリ倶楽部大好き!
しかも田中さん絶対出れるしー!


【田中さん】
いや、むしろ後ろ姿でいいです。
師匠の描く横で働く自分の後ろ姿とか(笑)


【吉村】
出てそう!だって、誰もやってないことだもんなー!
それって強いですよねー!


【田中さん】
でもそれも変えたいんですよね。
どんどん新しい絵師が出てきてほしい。その方が面白いし!


nakaba_7-2_2.jpeg


【吉村】
すでに道を開きつつある田中さんの横には、
社会人1年目の高井くんが座っておられます。
高井くん、どうよ?


【高井くん】
僕は...
今はみんなみたいに志があって、
そこに向かって走ってる状態ではないんですけど。


【山陰】
今は何をしてるんでしたっけ?


【高井くん】
インターネット広告の営業をやってます。


【山陰】
なんで広告業界に入ったの?


【高井くん】
いい大人がいるってことを若い世代に伝えたくて。


【垂谷】
というと?


【高井くん】
応援団で紹介されているような、志をもった企業の想いとかを紹介して、
中学生とかが「こういう会社で働きたい」って
思ってもらえるようなものをつくりたいんですよね。


【垂谷】
なんで中学生?


【高井くん】
僕、中学頃は世の中を斜めからみてる子供だったんですよ。
校則でも、「靴は白」とかってなんか不条理なものが多かったし。
大人ってやだなぁって。
でも、若い世代が大人に未来を感じない日本って先がないと思ってて。


【山陰】
尾崎的な?(笑)


【高井くん】
広告って、もちろん企業の事業だから100%大人の仕事ですよね。
でも、僕が中学の時に描いていた汚い大人だけの世界じゃないし、
志をもった会社もたくさんある。
だから若い世代にいいなと思ってもらえるものをつくって発信できれば、
僕が中学の時に感じていたモヤモヤを救ってあげられるんじゃないかって。
ただ、「企業の想いを伝える」とか「ブランディング」とかって、
今の仕事内容とは違うので、すごく遠い位置にあるんですけどね。


nakaba_7-2_takai.jpg


【山陰】
じゃぁ転職を考えてるとか?


【高井くん】
いや、今辞めても何もできないと思うんですよ。
何にもわからない大学生が、仕事始めて1年目で、
社会人としても学ぶことがたくさんあるし。


【山陰】
そうだよね。仕事内容の合う合わないって実際あるかもしれないけど、
同じ会社で踏ん張って、社会人経験を積むって大事なことだと私は思う。

【高井くん】
最近、お金の意識も変わってきたんですよね。
それまでお金ってどうでもいいと思ってたんですよ。
でも、ひとつの仕事をするにも、
クライアントがいて、代理店も部署ごとに担当がいて、広告制作の人がいて...
すごいたくさんの人が関わってるじゃないですか。
そこで生まれたお金って、決してどうでもいいお金じゃない。
責任をもって守らないといけないお金だなって、ようやく気付いたんですよね。


【垂谷】
高井くんが将来やりたい姿ってのがあったとして。
そこに向かって具体的にやりたいことってあるの?


【高井くん】
最初はコピーライターとか、CMつくる人になりたいとか思ってたけど、
最近は職種は関係ないなって思う。
今は、どうなりたいかっていうのを考える時期かもしれないですね。
与えられたことを、今はしっかり頑張るしかないなって思ってます。


nakaba_7-2_3.jpg


【吉村】
お互い頑張ろうぜ!
ところで、さきほどから写真を撮ってくれてる曽根さん!
ちょっとお話を聞きたいんですけど!


【曽根さん】
えー!私、話せること何もないんですけど!


【山陰】
写真館の店長をしていながら、師匠について技術を磨いている
曽根さんには何か熱いものがありそうなんですけど!
将来なりたいものってあるんですか?


【曽根さん】
アラーキーとか?(笑)


【吉村】
バッチリな回答です!
曽根さんは、「勝手に応援団」の応援団として、
今後取材先の写真を撮っていただくことになったんですよ。


【垂谷】
お~。応援団も偉くなったなぁ(笑)
曽根さんは今どんなこと考えてるんですか?


【曽根さん】
写真でお金を稼げるようになりたいですね。
作品だけつくれたらいい、ではなくて
ちゃんとお金を稼げないとダメだと思ってるんで。
好きなことでお金を稼いで、親兄弟を養えればいいですね。


【垂谷】
具体的に頑張ってることとかありますか?


【曽根さん】
まだ始まったばっかりなので、
まずは自分の作品をつくること。
あと、師匠のカメラマンについて、技術を磨くこと。
まだ基本的な機材の知識が足りないので、勉強しないと。
カメラの種類も用途ごとに知らないといけないので、
いろんなカメラを触って...


【山陰】
曽根さんが写真を撮る上で、ここが強み!ってところは?


【曽根さん】
う~ん、そうですね。
写真館に7年もいるので、人の表情を出すことですかね。
この仕事は、100%笑顔が撮れないと商売にならないので。
子供とコミュニケーションをとることとか
赤ちゃんを扱うことにかけては、強いですよ(笑)
私は、人の写真を撮る時は、表情が1番だと思っているんです。
みんながいいって言ってくれる写真ももちろん良いけど、
被写体が欲しがってくれるものでないとダメだと思うんです。
いくら芸術的なものでも、どれだけ構図が良くても色が良くても、
撮られた人が喜んでくれないなら意味がない。


【田中さん】
曽根さんが「撮りたい写真」っていうのはどんなもの?
被写体が喜んでくれる写真?


【曽根さん】
そうですね。
わたしが撮りたい写真っていうのは、「壁に飾れる写真」なんです。
たとえば「この写真、美人に写ってる」って思ってくれる写真。
被写体が壁に飾りたいと思ってくれる写真がいいですね。
あとは、幸せな写真を撮りたい。
悲しいことって世の中に必要ないのかなって思ってるんで、
報道写真とかは、他の人に任せて...


【山陰】
被写体が喜ぶ写真、幸せな写真ってなんかいいですね。
写真館って幸せな場所なんですね。


【曽根さん】
私今まで、「人のため」って何もしてこなかったんですよ。
だから写真で人のためになることだったら、何でもしようと思ってます。
ボランティア活動でも、いつでもどこでも行きますって感じで。
写真館でもそうです。赤ちゃんが泣いてしまったときも、
時間がきたら終わりってカメラマンもいるんですけど、
私は、何回も来てもらって撮るようにしているんです。
それが私のこだわりかもしれないですね。


nakaba_7-2_4.jpg


【山陰】
さて、最後のトリを飾るのはやっぱり垂谷でしょう!
垂谷は絵を描いてるんだよね。


【垂谷】
今年は12月までに5回展示をやったり、
自分のHP、ブログ、タルタニ本(宣伝のためのミニ雑誌)等もつくったりして、
精力的に活動しましたね。


【山陰】
垂谷は、私と同じ大阪芸術大学でテキスタイル専攻してたんやんな。


【高井くん】
卒業してからすぐ作家として活動してたんですか?


【垂谷】
いや、子供服のブランドで営業を1年経験したよ。
何事も経験やと思ってやってたんだけど、
やっぱり作家として本気で絵を描こうと思って辞めてん。
それから作品をとにかく描きためて、夏に初めて個展をやったんだよね。
「DUFFER」ていう渋谷のショップでやったんだけど。
個展をやって思ったことは、
出さないとはじまらない!ってことやわ。
作品数はめちゃくちゃあるけど、自分に自信がなくて出してなかったんです
でも出してみて、個展をしてみて、感じることがたくさんあった。


nakaba_7-2_taru.jpg


【てつくん】
どんなことを感じた?


【垂谷】
「DUFFER」の時は、知り合いのデザイナーやカメラマン、
映像の人にも力を借りて、作品コラボレーションしたんですけど。
すごく感じたのは、自分一人の力は小さくても仲間と一緒にやることで大きくなる
ってことやな。これからもそういうことをやっていきたい。
あと、会場で感じたのは、
僕、僕の作品、お客さん、この3角関係がすごく幸せやなって思った。
僕がいて、僕の作品があっていろんな人に出会える素晴らしさ
この5カ月間で、300人くらい、人と喋ってると思う。
お金はついてきたらいいと思っていて、
僕が作品をつくり続けるのは、コミュニケーションの手段やと考えてる。
作品を作り続けることで、少しでも多くの人と出会いたい。
日本だけじゃなくて海外の人も含めて。


【てつくん】
やっぱり海外への希望はあるんだ。


【垂谷】
もちろん!
でも、今とかではなくて、
一つ一つのやるべきことをやっていれば道は開けると思ってる。


nakaba_7-2_5.jpg


【てつくん】
個展の評価はどうだったの?


【垂谷】
審査員とかコレクターが絵を買ってくれたり、
有名なコレクターの人が自分の作品を推してくれたり...
評価の話にもつながるかもしれないけど、空間の演出とかも大事やと思うねん。
10月にTAGBOATのブースで展示をやったときに思ったけど、
日本の絵描きって、壁に絵をかけて終わってしまう人が多いのかなって。
僕は、それで終わってしまうともったいないって思う。
僕の場合、空間や見せ方については一人で考えずに
空間や見せ方に関して得意とする友達とかに相談して、
一緒に考えて演出したりしてたんだけど、そうやっていくうちに、
足を止めてもらう見せ方まで考えられる作家になりたいなって思うようになった。


【山陰】
作品をどう見せるかも大事だよね。


【垂谷】
いかに自分の作品のメッセージが伝わって、かつ面白く、斬新な展示ができるか。
難しいなと思う。そこで思うのは、
まずは自分の作品のメッセージを明確にしないと、展示も考えられないってこと。
現段階で、企画展の話も多くもらってるから、
とにかく春の展示に向けて新作を描かないと!


【吉村】
私、アートシーンに詳しくないんですけど、
作家として生きていこうと思ったら
ギャラリーに所属することが必要なんですか?


【垂谷】
僕は、いろんなところで活動しようと思ってる。
日本のアートマーケットってすごく狭いねん。
欧米が100なら、日本は1ぐらい。
アーティストはめっちゃくちゃいるのに、買う人がいない。
ギャラリーもどんどん潰れていくし。
ギャラリーの運営業だけやってる人は本当に少ないんじゃないかな。
だから、ギャラリー所属するだけではなかなか生活できないよね、
完売できるぐらいの力があれば別やけど。
だから僕は、ギャラリーだけに視点を合わせるのではなくて
8月の個展でやった「DUFFER」みたいなアパレルショップとか、
とにかく視野を広げて、いろいろなフィールドにトライしようと考えてる。


【高井くん】
垂谷さんのモチベーションは何なんですか?


【垂谷】
営業を1年やってふんぎりがついてんなぁ。
会社辞めてまで作家をやるという無謀さ。
「アホか、なれるわけないやんけ。」って言う人もいたけど、
でもそんなことない。やると決めた時点であとがないから必死でやってる!


【山陰】
相変わらず垂谷は熱い男やなぁ!
ビールがぬるくなるわ(笑)


【吉村】
わー!もうこんな時間ですよ!
そろそろお開きにしましょうか!
今日もらった刺激をバネに、2010年も頑張りましょう!
よいお年を!!!


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

まだまだ志半ばの10人。
しかしいつかの日か、本物の志を築いてくれることでしょう。
それでは今年も「志半ば」でお会いしましょう。

blog comments powered by Disqus
Back to TOP
来たれ!熱い魂!
www.flickr.com
ouendan's items Go to ouendan's photostream

MEET US ON :

rozashi.js">